人材育成は人財育成
どんな職場であってもその会社や学校が発展・繁栄するためには人の力が必要です。
しかし言うは易し行うは難しで、人を育てるということは一筋縄ではいきません。
ここには経営者の揺るがぬ信念が必要なのです。裏付けのない信念は迷信に変わってしまいます。
「あなたにとって最も価値の高いものは何ですか」との問いは、あるリサーチ会社による民間企業百数十社へのアンケート項目の一つです。この回答には年代別(70代以上・60~40代、30代以下)で明確な違いがあったといいます。
70代以上と言えば、会社で言うなら会長とか顧問という立場の方でしょう。この方々は「食べ物」に最も高い価値を置いています。戦中、戦後において食べるものがろくになかった時代を生き抜いてきた方々ですから、何よりも価値の高さを感じるのが「食べ物」というわけです。私の経験からも、こういう方々とお話をする際に決まって言われることは「ちょっと、飯でも食いに行こうか」でした。まずはおいしいものを食べながら、商談はそれからというわけなのでしょう。
さて、60代~40代はというと「お金」です。正に想像どおりですね。この年代の方々は、給料が2倍3倍になると言えば、多少きつい仕事でも「喜んで!」とおっしゃる。こういう年代の方々が、今、会社や学校を回しているのは言うまでもありません。
そして難解なのが30代以下です。このアンケートではアルバイト社員にも聞いているので10代もこの中に含まれています。
果たして回答は「存在」でありました。承認欲求が強いのです。自分が認められたい、自分を理解して欲しいというわけですね。この年代の方々は、大きく食べ物に困った経験がない。お金に困った経験もない。今の時代は、ちょっとした時間(スキマ)でアルバイトができ、コンビニエンスストアなどですぐに食べ物が手に入いります。日本の若者全体的には、飢餓や経済的貧困は少ないがゆえに承認欲求が一番なのだと実感します。
さて、このことを踏まえたとき、新入社員はもとより社員全員の心に響く声かけ、あるいは人を導く信念とは何か、考えていきたいのです。人材育成は単に人を材料として扱うという考え方から、人とは会社の財産であると考えられるかどうかです。「売り手市場」と言われる昨今ですが、企業側の本音としては、すぐに辞められたり退職されていいわけがありません。もっと言えば、ちょっとした興味本位で入社するのではなく、会社を心から愛し貢献してくれる人が欲しいのは当たり前だと思うのです。だからこそ、「自分を認めてくれる」ことを望んでいる若者と会社に貢献してくれることを望む経営者との融合点はどこか。
教育の視点から考えてまいりましょう。