マイストーリー

 

東京学芸大学 教職大学院 特命教授 

 川合 一紀(かわい かずのり) 
【担当している授業】
・カリキュラムデザイン 授業研究 
・総合教育実践演習
・課題研究
・子ども理解と支援(夏季集中研修)
・教職専門実習
・キャリア支援

【主な職歴】

・豊島区立西巣鴨中学校 理科教諭をスタート

・その後、練馬区立光が丘第三中学校、国立市立第三中学校、 

  板橋区立中台中学校を経験

 

・東京都教育委員会人事部職員課係長、 

清瀬市教育委員会指導主事、統括指導主事、主任指導主事 

 東村山市教育委員会 指導課長 を歴任

 

・豊島区立要小学校 校長、豊島区立池袋中学校 校長、
  豊島区立巣鴨北中学校 校長 を経験

 

・令和6年度より現職。学級経営論、学校マネジメント論、教育行政、道徳教育、人権教育、特別支援教育、その他の指導・助言



指導主事とは何か

皆さんの中には、指導主事を目指される方もいらっしゃるでしょう。指導主事とは何をするのでしょうか。様々なknow-how本では業務の内容はわかっても、その本質を示しているものは少ないと思います。私は30歳後半で指導主事となりました。行政職に入ってみて感じた印象は「畑違い」というものでした。もちろん教育に携わってはいるのです。でも「教える」ということとは程遠いように思ってしまったのです。業務としては教員や管理職の皆さんに対して指導・助言を行うことと言われます。
畑違いの正体は何か。私は「教えるという行為の核心は応答性と双方向性を大切にすること」と自分なりに感じていたのです。そこに違和感を覚えました。ですから指導主事の仕事で楽しかったのは「初任者研修会」の担当になったときでした。応答性と双方向性を肌で実感できたからです。
それでもだんだんと慣れていきました。違和感が薄れていったと言うほうがいいのかもしれません。指導主事を目指される方に言いたいことは、子どもを教えていた時の感覚を忘れないでほしいということです・・・。

指導主事になるために

管理職候補者選考試験

東京都ではA選考と呼ばれる管理職候補者選考試験があります。以前は指導主事選考と呼んでいたものが平成12年度に変わったのです。他県では教頭先生から一本釣りで選ばれるケースもありますが、いずれも重要なのはコンピテンシーの有無です。面接ではそこが評価されます。面接試験で私は中央に座る面接官にこう聞かれました。「真にリーダに必要な資質とは何か」。私は「人間性や社会性だと思います」と答えます。中央の面接官は「う~ん」とため息をついて「あなたにだって人間性や社会性があるから、今ここにいるのでしょう?」とおっしゃるのでした。次は何と答えればいいのか・・・

指導主事1年目

初めて行政職で仕事をしたのは「教員人事管理」でした。膨大なデータをもとに適性を見極め適材適所で配置するというもの。服務事故の対応も含まれます。
そもそも教師しか知らない私は、まず業務を知ることから始めました。恥ずかしながら私は「決裁をとる」という行為を知りませんでした。当時の学校現場はそれでできていたのです。新たな勉強の始まりです。
初めて決裁を取りに行ったところにいらした主席上司は、管理職候補者選考試験で面接官として中央に座っていらした方でした。何たる偶然・・・

副校長となったとき

東京都では2004年度から副校長職を置き学校教育法の改正とともに2008年度に副校長の権限拡大を図りました。他県では教頭と呼んでいますが、法律的には「副校長」と「教頭」は違います。
そんなことは知らない中学校籍の私が、副校長として勤務した学校はほぼ単学級の小さな小学校でした。
「校長の命を受け公務をつかさどる」とは文字としては知っていましたが、「教える」ことから少し遠のく悪戦苦闘の毎日でした。指導主事の経験が少し活きたと思えるときもありました。それは私のコンフォートゾーンが広がっていたからなのです。